逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「どうぞ」
「ん、ああ……」
常務は体を起こし、引き出しから紙袋に入った薬を取り出し、無造作に口の中に放り込むと、グラスをあおるようにして白湯を飲み干した。
「ん……ぬるい」
「お薬を飲むと言われていたので。お水では胃を冷やします」
沙耶の言葉に、彼はふっと笑って顔を上げた。
「湊と同じことを言う」
「みなと?」
「俺の秘書」
そして常務は、ダルそうに首を回した。
「なぁ、歌、歌ってくれよ」
「えっ!?」
「さっきの古時計。びっくりするほどうまかったな。いい声だ」
「そ、そ、そんな、困りますっ……」