逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 手を伸ばし、沙耶の額にかかる前髪をかき分ける。
 そのまま指と手の甲で、沙耶の頬を撫でると、くすぐったいのか顔をそらす。
 その様子がとても愛らしく見えて、基は微笑んだ。


「可愛い……」


 気がつけば可愛いとしか言ってないが、自然と口をついて出てくるので仕方ないのである。


「沙耶、好きだ。君が好きだ」


 当たり前の気持ちを言葉にするだけなのに、どうしてこんなに嬉しくなるのだろう。


「好きだ……」


 好きというだけで心が熱くなる。
 幸せな気分になってくる。

 生まれて初めて、基は恋の喜びというものを実感していた。



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