逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 その翌日。
 沙耶はいつものようにカートを押して常務室に入る。
 基は外出しているらしく、姿はなかった。


 そして約束通り、傷一つないエグゼクティブデスクの上には、一通の白い封筒が置いてある。


「これが、私あて……?」


 会社で使うものなのだろう。
 白い封筒にはエール化粧品の象徴である翼が繊細な線で描かれている。

 表に綺麗な字で「沙耶へ」と書いてあるので、間違いなさそうだ。


 中を開けてみようとして、思わず周囲を見回す。

 もちろん人目はないのだが、なんだか妙に気恥ずかしくなったのだ。


「後にしよう……仕事中だし」


 封筒をポケットに入れて、掃除に戻ることにした。



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