逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「私は普通ですっ……」
基とよく似た濃いジーンズをロールアップにし、薄い色のデニムシャツを合わせ、黄色いスニーカーを履いた沙耶は、いつもは縛っている髪をふわふわとおろしていた。
「動きやすい格好で来るようにって、手紙に書いてたでしょ。これでいい?」
手紙にあったのは、ここに八時に集合、動きやすい格好をしてくること、体一つで他には何もいらないということだけだった。
いったいどこに連れて行かれるのだろうと考えて、昨日はよく眠れなかったのは沙耶だけの秘密である。
「ああ。完璧だ」
基は助手席のドアを開けて沙耶を乗せると、運転席にまわりシートベルトをつける。
「それでどこに行くの?」
「それはついてからのお楽しみ」
サングラスをかけ、基はハンドルを握った。