逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

------


 それから二時間半後。沙耶は神奈川県の三浦海岸の近くにある、とある乗馬倶楽部の応接間で紅茶を飲んだあと、馬場へと向かっていた。


「沙耶、疲れてないか」
「大丈夫。オープンカーって気持ちいいのね」
「まぁ、春と秋季節限定だがな」


 二時間強のドライブは、あっという間だった。
 車の免許を持たない沙耶に専門的なことはわからないが、基の運転は滑らかで、怖いと思うことは一度もなかった。


 馬場には栗毛の馬の手綱を持った老人が立っており、基を見て嬉しそうに手を振る。


「坊ちゃん、待ってましたよ!」
「坊ちゃんはやめてくださいと言ってるでしょう」


 基は苦笑しながら沙耶と一緒に馬場の中に入り、男性に近づく。



< 161 / 322 >

この作品をシェア

pagetop