逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 柵に囲まれた丸馬場を何周かした後、沙耶と基はレオに乗って林へと入っていった。


 前に沙耶が乗り、手綱は後ろの基が握る。

 鞍がないので滑り落ちないかと不安になった沙耶だったが、そもそも二人乗り用の鞍というものはないらしい。

 基が言うように確かに揺れず、さらに後ろから抱くようにして支えられているので、不安はすぐに消えた。


「そう、上手だ。背筋を伸ばして。レオはいい子だから、沙耶を落っことしたりなんかしない。だから安心して前を見て……」
「うん」


 最初はたてがみばかり眺めていた沙耶だが、基の言葉に前を見た。


 林の中の空気は爽やかで、視界いっぱいの濃い緑の葉に木漏れ日がチラチラと光っている。


 鳥のさえずりが自然の静けさの中で美しく響く。


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