逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
青い空も、太陽に光を反射してキラキラと光る海も、白い砂浜も、まるで地上ではないかのように、沙耶の目に映った。
「びっくりしたけど、すごい、すごい、本当に空を飛んでるみたいだった!」
レオの速度を緩めて、手綱を引く基を、沙耶は興奮しながら肩越しに振り返る。
「だろ?」
基の灰色がかった瞳が、至近距離で熱っぽく沙耶を見つめていた。
自分が想像した以上に基の顔が近くにあって、沙耶の心臓が跳ね上がった。
「俺は車もバイクも飛行機も船も好きだが、馬が一番好きなんだ。自分が流れ星にでもなったような気がする」
「流れ星……鳥じゃなくて?」
「……確かにそうだな。ここは鳥って言うべきだった」
「流れ星、燃え尽きて落ちちゃうし」
「縁起でもないな」
そして沙耶と基は、顔を見合わせたまま、クスクスと笑う。
笑ってはいたが、沙耶はなんとなく、自分のことを流れ星だと言った基の気持ちもわかるような気がした。