逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 基からペーパーナプキンを貰って手を拭き、
「いただきます」
と、遠慮なくハムサンドにかぶりつく。


「お、おいしい! すごく、おいしい!」
「だろ。たかがサンドイッチだけど、外で食うとうまいよな」


 基も同じようにハムサンドにかぶりつき、ふと思い出したように、水筒からコーヒーを注いで、コップを沙耶に渡した。


「熱いから気をつけて」
「ありがとう」


 基の言うように、舌が焼けるような熱々のコーヒーだったが、これもまたサンドイッチと抜群に合う。
 あっという間にランチボックスは空になった。

 
「ごちそうさまでした」


 お腹いっぱいになった沙耶は、うんと体を伸ばす。

 すると隣の基が、着ていたワークジャケットを脱いで、沙耶の膝にかけてくれた。


「少し目を閉じるといい」
「えっ、でも……」
「風も気持ちいいんだ。俺もそうする」



< 168 / 322 >

この作品をシェア

pagetop