逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「基……」
「ありがとう」
基はふっと笑って、そのまま顔を寄せてくる。
一瞬身構えた沙耶だが、基はコツンと、沙耶の額に自分の額を重ね、じっと沙耶を見つめるだけだった。
「やっと俺という男を、一人の人間として認識してもらえたような、そんな気がする……」
そして基は少し困ったように笑う。
「沙耶、わかる? 俺の手が震えてるの……。なんなんだろうな。沙耶をこのまま抱きしめたくてたまらないのに……抱きしめた瞬間、夢みたいに消えるんじゃないかって、そんな気がする……」
基の言葉に、胸の真ん中あたりがぎゅうぎゅうと締め付けられる。
そんな大げさな……と思うのに、頰は火照り、胸がはずむ。