逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
書斎を見れば持ち主の人となりがわかるというが、沙耶が推測するに、学者のようだ。
蔵書は地理関係が多く、日本地図はもちろんのこと、世界中の地図や資料がほとんどである。
(一人暮らしのようだし、ご主人が学者さんだったのかな……。)
だとすると、古い本は学術的な価値が高そうだ。
いるものといらないものを分けていると言っていたが、どこかに寄贈するのかもしれない。
丁寧にダンボールに詰めながら、中を開けなくても分かるよう、大まかな分類をマジックでダンボールに書きつけていった。
そうやって、午前中の仕事は、ほぼ書斎の本棚整理で終わった。
昼休憩を取ったら、午後はまた別室の掃除である。
どこかの公園でお弁当でも買って食べようかと考えていたら、
「お昼を一緒にいかが?」
と、書斎に顔を出した夫人に誘われた。