逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 だが規則でそういった行為は禁じられている。
 やんわりとそれを説明すると、しゅん、と寂しそうな顔をされてしまった。


「そうなの? 実は私、張り切って作ってしまったのだけど……」


 言われてみれば、確かにお出汁のいい匂いがしてくる。
 沙耶のために張り切ったとまで言われると、これ以上強く断れなくなった。


(仕方ない……社長にはちゃんと報告して謝ろう。)
 

 沙耶は心を決め、
「では、ご馳走になります」
と、夫人の手料理を頂くことにした。



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 中庭が見える和室で向かい合って座る。

筍ご飯にあおさのお味噌汁。鰆の焼き物に香の物と、随分豪華な昼食である。



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