逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
恥ずかしさに顔を赤くして恐縮するが、夫人はそれもまた嬉しいらしい。
「いいのよ。ぜひお茶も付き合ってちょうだいな」
と、いそいそと立ち上がった。
「では私もお手伝いを、」
そう呼びかけた瞬間、眼の前でふらりと夫人の体が傾いた。
「奥様!」
慌てて腕を差しのばし、夫人の華奢な体を受け止めたが、支えきれず沙耶も畳の上に倒れてしまった。
ズキリと足首が痛んだが、急いで飛び起きて、夫人を抱き起こす。
「奥様、大丈夫ですか!?」
「えっ、ええ、大丈夫よ……」
夫人は手の甲で顔を覆いながら、眉根を寄せる。
意識ははっきりしている。抱きとめたのでどこも打ち付けてはいないはずだが、素人判断は危険だ。
「すぐに救急車を呼びますから!」
エプロンからスマホを取り出した。
「いいえ、大丈夫……驚かせてごめんなさいね。たまにあるのよ。かかりつけのお医者様がいるから、往診を頼んでもらえるかしら……?」