逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

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 布団を敷き、言われた通りかかりつけの医者を呼び、夫人を浴衣に着替えさせ、席を外した。

 その間に食器を片付けて、ふと台所から中庭を見ると、紫陽花が目に入った。


(きれい……。)


 そういえば、薄紫の紫陽花が玄関の花瓶に飾ってあったが、色が褪せかけていた。

 花瓶はどっしりとした磁器製だったので、おそらく夫人がいけたのではなく、彼女の家族がいけたのだろう。


 沙耶の幼い頃は、屋敷にはいつも花が絶えなかった。
 病に臥せり気味だった母が、それを望んだのである。

 あとでハサミの場所を聞いて、紫陽花を取り替えておこう……。


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