逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 その後、診察を終えた医者と看護師が部屋から出てきたので、玄関の外まで見送ることにした。


 話を聞いてみれば重病というわけではなく、夫人が言うように、たまにあることらしい。
 基本的に足腰が弱っているということだった。

 立ち振る舞いもしゃんとしているし、どこも悪いようには見えないのだが、やはり家族の心配もあっての今回の引越なのだろう。


「ご家族の方にはこちらから連絡しておきますよ。すぐに来られるでしょうから、それまでそばについていてもらえますか」
「はい、わかりました。ありがとうございました」


 深々と頭を下げ、玄関の鍵を施錠する。


 大変なことになってしまったと思いながら、沙耶は夫人の元へと向かった。


「奥様、お医者様を見送ってまいりました」


 静かに障子を開け、廊下から声をかけると、夫人が布団から手を伸ばしてくる。



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