逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

「ああ、沙耶さん……迷惑をかけてごめんなさいね……。こういうことがあるから、お手伝いを頼んだのに、ついはしゃいでしまって……驚いたでしょう? 本当にごめんなさいね……」
 

 かなり落ち込んだ様子で、見ているこっちが悲しくなってくる。

 なんとなく、幼い頃の記憶にある祖母や、母のことを思い出してしまう。


(奥様は何も悪くない。誰だって好き好んで倒れたいわけじゃない。せめて自分を責めるのはやめてほしい……。)


 沙耶は枕元に座り、落ち込む彼女の手を包むように握った。


「気になさらないでください。私にできることがあればなんでも言ってください。ご家族が来るまでここにいますから」
「沙耶さん……」
「それに、久しぶりにちゃんとした家庭料理をいただけて、お気持ちとても嬉しかったです。ご馳走様でした」


 にっこり笑って見せると夫人はホッとしたようだ。


「ありがとう」


 沙耶の手を軽く握り返して、それから目を閉じた。



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