逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
すでに日はとっぷりと暮れて、街灯の明かりだけが頼りだった。
そういえば基が雨の中立っていたのも、ここである。
「喜多島さん?」
沙耶は妙な胸騒ぎを覚えながら、美鶴を見上げ次の言葉を待った。
「聞いてもいいかな」
「何を……ですか?」
「湊に名刺を返しただろう? だから脈がないんだなってことは、わかってる。こんなに必死になったのは初めてだったから、滅茶苦茶落ち込んだんだけど……その……湊が言うには、僕個人の問題じゃなくて、僕の環境のせいだからって……」
確かに神尾には『いい人だとわかっているけど、住む世界が違う』ということで名刺を返してもらうよう頼んだのだった。
「本当、こんなことをいうのは死ぬほどカッコ悪いのわかってるんだけど……祖母は沙耶さんのことをとても気に入ったみたいだし、君と僕が真面目に付き合うんだったら、誰も反対なんかしないっていうことはわかってもらえないかな」