逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

「でも……そんな……」


 だからもちろん、美鶴の言葉をそんな簡単に受け入れられるはずがない。

 頭ではわかっているが、彼の言葉は、沙耶にはあまりにも魅力的に聞こえてしまった。


「沙耶さんが好きなんだ」


 強引ではないが美鶴の意思は伝わってくる。

 見上げると、美鶴と視線が絡み合う。


「あの……」


 気がつけば、その瞳の奥に、沙耶は自分の見たいものを探していた。

 誰にも言うつもりがなかったあのことを、目の前の美鶴に聞いていた。


「……鎌倉の別荘にいた頃、小学生の女の子の家で、雨宿りをしたこと、ありますか?」
「え?」


 美鶴が不思議そうに眼を細める。



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