逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「は、離してくださいっ……」
美鶴の胸を押し返そうと身じろぎするが、ビクともしない。
「いやだ。君の存在は、反則的だよ……。地に足がついてるのに、どこか浮世離れして不思議なところがあって……こんな子いないよ、だから忘れようと思っても忘れられないんだ」
紳士な美鶴らしくない、男の声に、沙耶は硬直する。
だが美鶴は沙耶の何倍も大人で、ある意味空気を読むのに長けているようだ。
ハッキリと拒否される前に、腕の力を緩めて沙耶を解放すると、そのまま乱れた沙耶の髪を撫で、あごさきを指で持ち上げた。
「今すぐ答えを出してなんて言わない。僕を男として見られないっていうんなら、まずは友人からでもいい。だから僕を、君の鉄壁の内側に入れて欲しい」
「喜多島さん……」
「出来たら次に会うときは美鶴って呼んで欲しいな」