逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

「階段、同じよ!」


 沙耶はたまらなくなって二階に続く螺旋階段の手すりに飛びついた。


「私、子供の頃、二階から一階に滑り落ちてみたくて、当然だけど途中で落ちて怪我したの! 頭を切ったからそこが血だらけになっちゃって、私はびっくりしたけど全然平気だったんだけど、お父さんは卒倒するし、逆にいつもベッドで寝てばかりだったお母さんのほうが、テキパキしてて、後から笑い話になるくらいで……!」


 沙耶は二階に駆け上がり、下の基に手を振る。


「二階の窓も廊下も同じ!」


 同じなのは当然なのだが、沙耶はここ十年感じたことのない興奮に、どうにかなりそうだった。


「基……!」


 今度は怒涛の勢いで階段を駆け下りる。


「沙耶、転げ落ちるぞ!」


 たった今、幼い頃怪我をしたと聞いたばかりである。下で待つ基が慌てて駆け寄り、沙耶の体を全身で抱きとめた。



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