逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 どうやらこれは御曹司の発案で、彼の秘書である神尾は反対しているらしい。当然だ。


「俺はな、パーティーなんかクソ食らえなんだよ、湊。どうせ適当な女がズラッと俺の前に並ぶんだ。そういうのはウンザリなんだ。わかるだろ」
「それはわかっておりますよ。ですがこれも全てご両親が基様を思ってのことなんですよ」
「それが迷惑なんだ。だから女よけになんのしがらみもないこいつを呼んで隣に置いておく」
「基様……」


 秘書というよりもまるで兄のようである。

 沙耶は唖然と二人のやりとりを見つめていたが、次第に馬鹿らしくなった。

 軽薄御曹司の戯言などに付き合っている暇はない。
 私は私の仕事をするだけだ。

 絨毯の上に目線を走らせる。


「あの、コーヒーをこぼした場所はどこですか?」


 すると基が、信じられない行動に出た。







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