逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
沙耶と基はそれぞれカジュアルな洋服に着替え、夕食の準備に取り掛かった。
ハムやベーコンといった保存のきく加工食品やチーズが冷蔵庫に入っていたので、それを庭から取ってきたローズマリーと一緒に鉄のフライパンで焼き、食卓に並べて、ワインを飲んだ。
明かりは間接照明だけの、静かなとてもいい夜だった。
「……沙耶、おいで」
カウチに座ったコットンシャツにデニムジーンズの基は、頬杖をついてもう一方の手にはワイングラスを持っているのだが、どんなラフな格好をしていても、やはり高貴な雰囲気が漂っている。
(基って本当に素敵だな……。)
「うん……」
食器を片付けた沙耶は、手足を折りたたむようにして基の腕の中に収まり、背中を預けた。