逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 基の大きな手が沙耶の髪をすき、肩を撫で、腕を通り過ぎ、腰を撫でる。

 ただ体の表面を撫でられているだけなのに、どうしてこんなにゾクゾクするのだろう。

 沙耶の体の奥に眠る火種に、火をつけるような基の手を、沙耶は震えながら受け止めるしかない。


「沙耶……もっと口、開けて」


 言われた通り口を開けると、
「そう、いい子だ」
基は優しく微笑んで、沙耶の口の中に舌をねじ込んだ。

 基の熱い舌が、口蓋を舐め上げる。


「っ、」


 感じたことのない刺激に、反射的に沙耶が体をこわばらせると、基は舌を抜き、唇になだめるようなキスを落とす。


「沙耶、君を愛したいだけなんだ……だから俺を怖がらないでくれ」


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