逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 熱っぽい基の瞳。そしてかすれた声。
 基が自分を痛いほど求めているのがわかる。


「うん……」


 沙耶だって未経験ではあるが、子供ではない。
 基の言いたいことはわかっている。

 だがこの時間に至るまでの怒涛の展開に、まだ頭と体が追いついていないだけなのだ。


「基、違うの。私、本当に基が好き……やっとわかったの。どうせ誰も愛してくれないなんて臆病になっていた私を、本気で好きになってくれた基を怖がったりなんかしない」
「沙耶……」


 基の顔にほっとした安堵の色が浮かぶ。


「だからね……」
「うん」
「練習させて」
「……なに?」


 基の目が点になる。


「基からされるから、私の心臓が止まりそうになるのよ。だから私から練習させて欲しいの」


 沙耶はいたって真面目だった。



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