逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 エレベーターがホテルのロビーに到着する。

 行きは伊織の運転する車で送ってもらったが、帰りはタクシーである。

 二人はそのままエントランス前に止まっているタクシーに乗り込み、ソルシエールへ一旦戻ることにした。


ーー----


 ソルシエールに伊織の姿はなく、沙耶のデスクの上にメモが一枚置いてあった。


「ギャフンと言わしてやったかい?ですって」
「伊織さんらしいね」


 沙耶はクスクス笑ってうなずき、仮眠室でティーシャツとジーンズに着替えてメイクを落とす。
 もちろん髪も解いて、いつもの一本縛りだ。


 鏡の中はいつもの見慣れた自分がいる。
 ホッとしつつも、胸の中のざわめきが当分収まりそうにないことは自覚していた。



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