逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「カンパーイ」
「お疲れ様でした」
居酒屋の騒がしいカウンターに並んで座り、生ビールの入ったグラスをカチンと合わせる。ちなみに潤は可愛い顔に似合わず大ジョッキだった。
「沙耶ちゃん飲める人?」
「普通……ですかね。一人で飲むことがないのでよくわからないですけど」
「ふぅん?」
潤は砂肝の鉄板焼きをムシャムシャしながら、すいすいとビールを飲む沙耶の横顔を見つめた。
潤の目から見て、沙耶はどこか浮世離れした不思議な女性だった。
堅実に見せて、驚くほど度胸がある。
沙耶が踊り出すのを見て度肝を抜かれたし、周囲の人間がみるみるうちに沙耶に魅入られていく姿には誇らしさすら感じた。