逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「沙耶ちゃんみたいな子、好きだなぁ」
「面白いって思ってるだけですよね」
「あ、バレた?」
「わかりますよ、そのくらい」
沙耶はくすりと笑ってうずらの卵を口に運んだ。
沙耶の目から見て潤はとても人懐っこい。
だからと言って、人をすぐに自分のテリトリー内に入れるかというとそれは別問題だと、沙耶はこの数年の付き合いで分かっていた。
「ねぇ、沙耶ちゃん。男嫌いなのって昔から?」
「昔からっていうわけじゃないですよ。私にだって淡い初恋の経験くらいあります」
「えー、知りたい。聞かせてよ」
人懐っこい小型犬のような可愛い目でじっと見つめられると、犬派の沙耶はつい構いたくなるのだ。
(子供の頃の話だからいいかな……。)
「まだ母が生きていた頃なんですけど……」
沙耶の最も大事な思い出の扉が、今開かれようとしていた。
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