逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「ゴールデンならうちにいますよ!」
「えっ、マジで?」
それからガサガサと茂みをかき分けて、少年がひょっこりと顔だけ覗かせた。
「あっ、ほんとだ! ビスケお前なに人様の家に上がりこんでんだよ! 帰るぞ、おいで!」
だがビスケは尻尾をフリフリするだけで微動だにしない。どうやらここが気に入ったようだ。
「ビスケ!」
少年は十メートルほど向こうで困ったように立ち尽くしている。
とっさに呼びかけていた。
「あの、中に入ってください」
「えっ、いいの……って、ビスケもしっかりいついちゃってるしな……」
そして少年はそのまま茂みの中に体をねじ込むようにして入ってきた。