逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 すっぴんにカットソーとデニムの沙耶を見てもニコニコと笑い続けられる彼は、意外に大物かもしれない。


「よくわかりましたね。あの日の私と今の私ではだいぶ違うでしょう」
「いえ、後ろから見てすぐにわかりました。あなたはとても姿勢がいいし、歩いているだけで人目をひく」


 そして彼は胸元の名刺入れから一枚取り出し、名刺を取り出した。


「僕の名刺です」


 喜多島美鶴(きたじまみつる)
 名刺は英語で書かれていたが、その下に日本語でも名前が書かれていた。

 基の友人ならエリートに決まっている。そして自分とは住む世界が違う人だ。


 沙耶はそのまま名刺を返して、
「失礼します」
と、歩き出す。
 慌てたのは美鶴だ。


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