逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「ちょっ、ちょっと待ってください!」
沙耶の前に回り込んで、必死に沙耶を押しとどめた。
「あなたはもしかしてやっぱり基の恋人なのかな。基はあなたのことを全く教えてくれないから、その、少し、しつこいのは自分でもわかっているんだけど……」
美鶴は少し困ったように微笑み、じっと沙耶を見つめる。
そこで今更気づいたが、美鶴は絵に描いたような王子様風の雰囲気を持つ美青年だった。
(潤くんに話したからかな……あの日の、私の王子様に似てるかも、なんて思ってしまう。)
懐かしさが沙耶の気持ちをほんの少し緩める。
「基さんとは、そういうんではないです。あの日はたまたま……彼の気まぐれでパーティーに呼ばれただけですから」
勝手な、一方的な懐かしさから、つい本当のことを答えてしまった。