逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「本当? やったっ!」
美鶴はガッツポーズをして、それから沙耶に一歩近づく。
「今からお茶でもいかがですか」
「それは、その」
「忙しいかな?」
「……あの」
(あの軽薄御曹司……基も、この人も、好奇心で私を追いかけている。そして私が逃げるから、余計ムキになるんだ。)
だったらここではっきり言っておいたほうがいい。
沙耶はため息をつきながら、美鶴を見上げた。
「私、あそこのビルに入っているクリーンサービスで働いているごく普通の人間なんです。基さんの誕生日パーティーの私と普段の私は、全然別物なんです。あれはなんていうか……一時の夢のようなものなんです。だからこれ以上私に好奇心で構わないで下さい」
住む世界が違う。そして自分は王子様たちの遊びに付き合うつもりもない。
沙耶はそういうつもりで美鶴をまっすぐに見上げた。