浅葱の桜
「はらり ひとしずくを零しながら 私は笑う 笑って桜の涙に抱かれるあなたを見送るの
一緒に過ごした時は楽しかった 笑って、泣いて、怒って
ねぇ、私たちはまた出会えるかな?
同じように笑いあおう。同じように泣いて、怒って。
私たちはここで待っているよ
だから、どうか––––」
「っ」
無理だ。これ以上歌えない。
これ以上は堪えられないから。
まだ笑えるうちに言いたいことを。
「みんなっ!」
「行ってらっしゃい!」
これで、いいよね。菊姉ぇ。
もう、引きずらないから。
ゴシゴシと涙を拭くと沖田さんの元へと駆け寄る。
「もう……いいの」
「はい。ありがとうございました」
少しだけ表情を和らげた沖田さんだったけど。
「っ、避けろ!」
突然そう叫んだ。
「え?」
事態を把握できないまま私は沖田さんの背中の奥に隠される。