浅葱の桜
「それは秘密だ。厄介な事に巻き込まれてるって事だけ教えといてやる」
「ちぇー。つまんないなぁ〜。ねぇ、教えてくれよ。佐久〜」
「ええっ⁉︎」
話せば長くなるし、そんなに軽口で話して良いような内容ではない。
それに。
軽く記憶を溯ろうとするだけで軽く頭痛がする。それに胸がギュッと締め付けられるように痛くなる。
「佐久?」
心配そうにかけられた沖田さんの声。
大丈夫。怖い事なんてない。
皆を思い出して苦しい思いをするなんて事は、無いんだから。
「ごめんなさい。それはまだお話出来ません」
そう告げると藤堂さんはつまんなさそうにそっぽ向いた。
「まっ、いつか聞かせてもらうから!」
ニカッと笑った彼に私はぎこちない笑顔を返した。
そしてそれから半刻もしない内に。
「な、何で、こんな事にぃっ!」
震える手で握っているのは竹刀。刀に比べると軽い竹刀を向けた先にいるのは。
「多少は剣の心得がある様だからな」
同じように竹刀を持った沖田さんが。
軽く竹刀を振り。
「多少の手加減はしてやるけど、怪我くらいは覚悟しとけ」
ひえええええっ。
ど、どうしてこうなったの⁉︎
向けられている視線が恐ろしく、背筋が凍えそうだ。