あの頃のように笑いあえたら
薄っすらと積もる雪に足を乗せると、ザクッザクッといい音がした。

懐かしい木々たち、懐かしい匂い。

目的の池までは、たぶん歩いて5分ほどだ。

この道を、源と2人手を繋いで歩いた。

まるで誰も知らない世界に足を踏み入れている、そんな感覚で。

木漏れ日までもが、愛おしく感じる。

高鳴る胸を押さえながら足を進めると、
あっと言う間に池のほとりにでた。

案外近かったな……。

それもそのはず、小さい子供だからこそ、この小さな森が冒険のように感じられたんだ。

少し大人になってしまった私たち。

この思い出の場所で、あの頃のように笑いあえるのだろうか。

そんな不安をおぼえながら池の周りを見渡しても、源の姿はなかった。

まだ来ていない?それとももう帰ってしまった?

どちらにしても、私の取る行動は同じだった。

ーーここで、源を待つ。
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