あの頃のように笑いあえたら
小さい頃にやった池の水面を使った水切り、意外に得意だったりする。

そんなことをやったり、源のことを考えてたり、音楽を聴いたり、源のことを考えたりしていたらいつの間にかお昼を回っていた。

お腹は空いていないが体も冷えてきたので暖かい飲み物でも買おうと、一度森を出ることにする。

源とすれ違がってしまうのが怖かったけれど、体調を崩したりしたらまた源に心配をかけてしまう。

ブランケットをたたんでバッグにしまっていると。

ーーカサッ

静かな、静かな森に微かな音が響いた。

反射的に顔を上げると、そこには驚いた顔をした源が立っていた。

「……いとな……」

そう呟いたままその場を動けない源に向かい、私は自然と笑顔を見せた。

「……げん君」

私はあの頃の言い方で、呼びかける。

すると、源はフッと微笑み私に近寄ってくる。

「……いとちゃん」

照れた小さな声が、私に届く。

ーー今この静かな森に、あの頃の2人がいる。
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