あの頃のように笑いあえたら
首から真新しいピカピカのカメラを下げている源は、私の隣、少し大きい方の切り株に腰を下ろす。

「……いつから、ここに?」

ーー やっぱり会えた、やっと会えた。

源の柔らかな声が、私の胸の奥を暖める。

懐かしさを感じているのか、池を見つめたままの源。

「11時すぎくらいかな」

私がここに来たことをどう思ってるんだろう、迷惑じゃなかったかな。

「もう2時間近く……寒いのに」

スマホの画面で時間を確認して私を見る。

最初は驚いていたけど、もういつもの穏やかな源だ。

「うん、大丈夫。カイロも貼ってるし、ブランケットもかぶってたし」

「あはは、カイロ?ばあちゃんみたいだ。用意周到だな」

源の笑顔に、ホッとする。

「なんか、あったかい飲み物買ってくるからここで待ってろ」

そう言って立ち上がる源。

「……えっ?」

せっかく会えたのに?

不安が顔に出たのだろうか、源は微笑み、すぐ戻るから、と私の頭をポンと撫でて行ってしまった。

ーー ドキドキ きゅん。
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