あの頃のように笑いあえたら
「変わってないな、ここ」

呟くように、優しく。

「うん……そうだね。源はいつから私だって気づいてたの?」

聞きたかったことの1つだ。

「確信したのは、おまえが長野のばあちゃん家に行くって言った時。その前から、たぶんそうだろうなと思ってたけど」

「そっか……」

私よりだいぶ前だな。

源にとっては衝撃的な出来事だったのだろうから、私よりも強く記憶に残っていたのかもしれない。

「いとなは?」

「私は、こないだ。タマランドの帰りに雷鳴ってた時、急に思い出した。おばあちゃん家にあった源との写真見て、似てるなって思ってたけど……まさか」

「そっか……あの時か」

あの雷を思い出すように、遠くを見つめる源。

そして、ゆっくりとカフェオレを一口飲む。

「こんな偶然って、あるんだな」

噛み締めるような源の言葉に私は黙って頷く。
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