あの頃のように笑いあえたら
「取り壊しちゃったんだな……」

源が、私のおばあちゃん家の垣根を覗く。

「うん。ちょっと寂しいね」

ここの庭で、源と遊んだ。
小さな2人は、どんな会話をしていたのだろう。

今の私たちは、少しだけ大人になって。手を繋いだりするのも、ドキドキしたりしている。

「私、ここに住みたかったのにな」

顔をあげ周りを見渡すと、薄っすらと雪を乗せた木々が見える。

「はは、いとならしいな」

そう笑い、源も周りを見渡す。

日差しが雪に当たり、キラキラと輝くのに目を細めている。

不思議……想いが通じただけで、源の気持ちがこんなにも近く、ハッキリと分かる。

また、あの森へと足を踏み入れる。

ーー 今度は、2人で。

歩いている途中から、源はシャッターを押し始めた。

まだちょっとぎこちない構えが、私の心をくすぐる。

静かな森に、シャッターの音と足音だけが響き、2人だけのゆっくりとした時間が流れる。
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