柴犬~相澤くんの物語り
食べ物の心配はとりあえずなくなった。

昼間は、高宮さんがどこからか拾ってきた空気の抜けたぺしゃんこの小さなゴムボールや、木ぎれを取りあいっこして遊んだ。
彼は本当に走るのが好きだ。
かけっこでは、おれは到底、高宮さんにかなわない。
流れるようなフォームで走る彼はすごくかっこいい。

おれたちは毎日、河原を転げ回り駆け回り、泥だらけになって遊んだ。
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