柴犬~相澤くんの物語り
 朝、目覚めると高宮さんの姿はどこにもなかった。

 昨日、彼に投げ付けたカバンから彼がとても大事にしてたブラシがこぼれおちていてチクッと胸が痛む。


 ございますおばさん、すごく心配してただろ?

 昨日、家に帰ったら温かい風呂にはいって、きれいにブラッシングしてもらって、最高級のドッグフード食って、久しぶりにふかふかのベッドで眠れたろ?



 よかったんだよこれで……。



丸一日、小屋の中の汚い毛布に寝そべって過ごした。



 まだ高宮さんの匂いが残ってた……。

 
< 52 / 84 >

この作品をシェア

pagetop