柴犬~相澤くんの物語り
結局、おれのやせ我慢は、たったの三日しか続かなかった。
微かに毛布に残っていた高宮さんの匂いがすっかり消えてしまったら、もうここにいるのは耐えられなくなったんだ。
彼がいない今、ここに残る意味もない。
おれも家に帰ろう……。
でもその前に、元の生活に戻った高宮さんを見届けたいと思った。
懐かしい我が家が見える。
おれは誰にも見つからないように細心の注意を払いながら、高宮家の玄関が見える場所にそっと身を潜めた。
家の中はシーンとして、物音ひとつしない。
いつも彼が出てきてた夕方の散歩の時間になっても誰も姿を現わさなかった。
ポツポツと降り始めていた雨が次第に強くなっていく。
雨になったから散歩は中止なのかな?
そう思いつつ、屋敷の周りをこっそり歩いていると、電柱や塀や至る所に「たずね犬」のポスターが貼られていた。
ピカピカに磨きたてられていた頃の高宮さんが笑っている。
それを見た瞬間、心臓がドクッと大きな音をたてた。
帰ってない? まさか……。
微かに毛布に残っていた高宮さんの匂いがすっかり消えてしまったら、もうここにいるのは耐えられなくなったんだ。
彼がいない今、ここに残る意味もない。
おれも家に帰ろう……。
でもその前に、元の生活に戻った高宮さんを見届けたいと思った。
懐かしい我が家が見える。
おれは誰にも見つからないように細心の注意を払いながら、高宮家の玄関が見える場所にそっと身を潜めた。
家の中はシーンとして、物音ひとつしない。
いつも彼が出てきてた夕方の散歩の時間になっても誰も姿を現わさなかった。
ポツポツと降り始めていた雨が次第に強くなっていく。
雨になったから散歩は中止なのかな?
そう思いつつ、屋敷の周りをこっそり歩いていると、電柱や塀や至る所に「たずね犬」のポスターが貼られていた。
ピカピカに磨きたてられていた頃の高宮さんが笑っている。
それを見た瞬間、心臓がドクッと大きな音をたてた。
帰ってない? まさか……。