私の住む世界

始まりの家

「はい、ここがリーゼちゃんの部屋。そこの階段から1階のさっきの部屋に降りられるわ。隣はワルターっていう魔法師と、私。」
アンネさんは丁寧に説明してくれた。
「部屋には鍵がないから、注意してね。隣のワルターにも話しておくから会ったらぜひ挨拶してみてね!」
アンネさんはそう言って私に小包を渡すと、狩りへ行ってしまった。

私は部屋を見ることにした。
そこは10畳ほどのワンルーム。
食事はコーヴィンさんが大抵用意してくれるそうだ。
申し訳ないけど…。
シャワーもトイレも1階にあるから、ここは主に寝るだけの部屋になりそう。
壁から窓枠まで全部木でできていて、なんだか安心する。
「あ、そうだ…。」
アンネさんからプレゼントとしてもらった小包を開く。
「わぁ…!」
中にはクッキーが入っていた。
"手作りクッキーなんて初めてよ。不味くても受け取ってね。これからよろしく!"
素敵なイラストと共にメッセージが添えられていた。
アンネさん…。
いい人と出会えて良かった!
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