アリストの3姉妹

3.目覚め

それから遥かな時代を超え一千年が過ぎた頃・・・。

建て続く災害に収穫が乏しい年を7年も重ね、国の食料庫は尽きて、王ルーデル225世が病死。

新たな王ルーデル226世はまだ幼い少年で、同じく王位継承権を持った弟は健康なれど、まだ赤子同然だった。

新王は、生まれつき心臓を患っていて10歳まで育たぬといわれている少年王で、国を治めるとはどんな事かも理解できぬ年頃だったが、それでも幼心に信じていた唯一つの伝説を信じ、希望の三本杉の影の交わる場所を掘り起せと家来に命じた。

そこに掘り起こされたのは、その昔船に乗せられ逃がされたと言い伝えられていた、女神と見まごう程美しい3人の魔女だった。

3人の魔女の中の一人はまだ幼かった。
年の頃はまるで少年王と変わらぬ頃のように見えた。おそらく埋められた時はまだ5、6才程度の子供であっただろう。しかし、その年頃で既に魔女として成熟しているらしく、年には似合わない魔女特有の妖艶な美しさがあった。

最後の魔女アヴィエータの死により、全滅したと思われていた魔女の伝説だったが、伝説が新しく書き換えられた瞬間であった。

かつてタリホー王・ルーデル3世は、国に繁栄をもたらした貴重な存在である白魔女の絶滅を恐れ、アリストの3人の娘達を隠すため、王家の墓の裏の森に生き埋めにしたというのが真章であった。





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