アリストの3姉妹
まだ幼かった王に掘り起こされ、目覚めたという3人の魔女達は、以来、王のお付のメイドとして王の傍で王を守り続けてきた。

気の遠くなるほどに長い時間、動くことも出来ず、自己防衛本能による仮死状態のような深い眠りについて生きながらえた魔女達。
眠りはレム睡眠期に入ると、呼吸が乱れ、悪夢にうなされる事もあり、時々
土の中で目を覚ました。

何度、目を覚ましても、闇は闇。
一筋の光も差すことはなく、不安から逃れるように再び眠りに付いた。
そうして、未来永劫、永遠にそれを繰り返すだけの運命だったかもしれなかった。

三人にとっては、少年王はまさに救世主であった。
再び日の光の下へ戻してくれた王に、生涯の忠誠を誓ったのは言うまでもない。

魔女達は、まだ幼かった少年王の変わりに様々な任務を果たさなければならなかった多忙な皇太后の代わりに、母親のように、姉弟のように、そして最も近い従者としていつも側にいた。そして、その昔、タリホー王はどのようにして民衆の平和を守っていたのか、3人の魔女から幼き現国王に伝えられ、王はそれに習うかのように平和な国づくりに励み、あの時代のような平和が蘇った。





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