不倫のルール
「ええっ!?赤ちゃんができたっ!?」

「はい……十二月出産予定です……」

珍しく照れながら、明奈が言った。

「っ!今年中に、出てくるのっ!?」

「繭、出てくるって……」

明奈が苦笑しているのがわかった。

お正月、電話で話した時、彼氏ができたのは聞いた。

美人の明奈はモテるのだが「恋愛より仕事!」なせいか、彼氏ができても長続きしなかった。

明奈の同期で仲のよかった加山(かやま)さんが、結局、自分の一番の理解者だと気付いたそうだ。

付き合って半年ぐらいだよね?同期として一緒に過ごした時間があるからいいのか?

「彼氏・彼女じゃなかったから、変にカッコつけて付き合ってない。自分の“素”を見せていたと思う」

そう明奈が言って、なんとなく納得した。

明奈は、さらに驚く事を口にした。

「二人で話してたら、子育ては田舎でしたいよね!て話になって。だったら、私の田舎に住んじゃおうか!て。という事で、加山君と赤ちゃんと三人で帰るから!」

「っっ!!」

私の想像を超える話の流れに、言葉も出ない……

加山さんも、加山さんのご両親も都会育ちで、いわゆる“田舎”という所に、強い憧れを持っていたそうだ。

仕事の事もあるし、こちらに帰ってくるのは来年になるそうだけど。

言葉をなくしてしまった私に、明奈はクスクス笑っている。

今の話だけだと、はっきり言って不安はある。でも……明奈が決めた人ならば、きっと大丈夫……!

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