不倫のルール
……今さら「私の家、知ってます?」なんて訊けない!

さっきは、半分以上勢いで言ってしまった。……柴田さんへの気持ちは、はっきりとわかった。でも、こんな風に伝えてしまうなんて……

……これって“わがまま”だよね?柴田さんが「嫌い」だと言った……

ずっと柴田さんに「嫌いになってもらう為」に会っていたはずなのに、そんな事、全然考えていなくて……

柴田さんはいつも、優しい笑顔で私の望みを聞いてくれた。私はいつからか、それを当たり前の事のように思っていたかも……

今まで“わがまま”を言った事は、なかったつもりだけど……

「今日のは、“わがまま”だよね……」

そう思うと、急に不安になってきた。

「会いに行くから、待ってて!」柴田さんは、そう言ってくれたけど。本当は、どうなんだろう……?

私の“わがまま”に呆れて「こんな時間に、わざわざ会いになんか行くか!」なんて、思われたかもしれない……!

そう考えると、もう居ても立っても居られない。

スマホを握りしめたまま、居間の中をウロウロと歩き回った。

どうしよう……柴田さんに嫌われたら、どうしよう……

しばらく歩き回った後、ペタンと座りこんだ。大丈夫……「会いに行くから、待ってて!」柴田さんは、そう言ってくれたんだから……!

しばらく座っていたが、どうにも落ち着かなくて、明かりをつけままだった玄関にいった。

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