不倫のルール
小さな声で抗議をしたが、取り合ってもらえない。それどころかゲンさんは、唇の片端だけを上げて意地悪そうに笑った。
「きれいな繭ちゃんを、俺なんかで汚したくないって気持ちと、そんな繭ちゃんを、もっと啼かせて汚したいって気持ちと……自分でもよくわからなかった」
ゲンさんは、フッと短く息を吐いた。私は、そんな清らかな存在ではないのに。
「俺が秀子さんと結婚して、『新庄』を名乗るようになって。俺に近付いてくる女には、はっきりとした目的が一つ加わった」
ゲンさんは視線を上げて、はっきりと言う。自分でもその事を受け入れているって事?
「豪華な食事、高価なアクセサリー……わかりやすく言うと『金』だな。……でも、繭ちゃんは……そういう物、俺にねだった事なかったよな?」
……考えた事もなかった。元々、アクセサリーとかにも興味ないし。そういう所が“子ども”なのかな?
そして、既婚者だとわかっているゲンさんの誘いにのる女の子も、愛だの恋だのだけではないんだ……
「繭ちゃんが遠慮がちに口にするのは『もっと会いたい』て望みと、俺の事が『好き』ていう想いだけ。……たったそれだけなのに、俺は、それには応えられない……!」
カップに口をつけた後、ゲンさんは顔を歪めて笑った。
「……苦しかった。繭ちゃんと一緒にいる事が、段々ツラくなっていた」
私は、ハッ!と息を呑んだ。私の想いが、ゲンさんを苦しめていたの……?
「きれいな繭ちゃんを、俺なんかで汚したくないって気持ちと、そんな繭ちゃんを、もっと啼かせて汚したいって気持ちと……自分でもよくわからなかった」
ゲンさんは、フッと短く息を吐いた。私は、そんな清らかな存在ではないのに。
「俺が秀子さんと結婚して、『新庄』を名乗るようになって。俺に近付いてくる女には、はっきりとした目的が一つ加わった」
ゲンさんは視線を上げて、はっきりと言う。自分でもその事を受け入れているって事?
「豪華な食事、高価なアクセサリー……わかりやすく言うと『金』だな。……でも、繭ちゃんは……そういう物、俺にねだった事なかったよな?」
……考えた事もなかった。元々、アクセサリーとかにも興味ないし。そういう所が“子ども”なのかな?
そして、既婚者だとわかっているゲンさんの誘いにのる女の子も、愛だの恋だのだけではないんだ……
「繭ちゃんが遠慮がちに口にするのは『もっと会いたい』て望みと、俺の事が『好き』ていう想いだけ。……たったそれだけなのに、俺は、それには応えられない……!」
カップに口をつけた後、ゲンさんは顔を歪めて笑った。
「……苦しかった。繭ちゃんと一緒にいる事が、段々ツラくなっていた」
私は、ハッ!と息を呑んだ。私の想いが、ゲンさんを苦しめていたの……?