不倫のルール
おばあちゃん家の先は、小さな畑がいくつかあるだけだ。

「気が付いたら、知らないヤツに家を荒らされてた……なんてイヤじゃん!」

今のところは、明奈のお母さんがちょくちょく行くようにしているそうだが……

「『面倒くさい!こんな古い家、もういらないでしょ?』なんて言うのよ!ほんとに薄情なんだから!」

明奈によく似た美人のお母さんは、めちゃめちゃサッパリした人だ。そう言った時の様子が想像できて、思わず苦笑してしまった。

その年の四月、私は明奈のおばあちゃん家に引っ越した。

ひなびた一軒家で、私は一人暮らしを始めたのだ。


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私が所属する経理課では、毎年七月に『納涼会』と称した飲み会がある。

一月の新年会と、もし異動があれば四月の歓送迎会、この三つが経理課での恒例の飲み会だ。

部署によっては、何かと理由をつけて飲んでる所もあるけど、女子社員の多い経理課なら、こんなものだ。

七月のある金曜日、『納涼会』は会社の近くの洋風居酒屋であった。経理課で、よく利用しているお店だ。

経理課の女子社員には、飲んべえが多い。だから、食べるだけの会にはならない。ほとんど二次会もないので、最初のお店で、みんなが大いに食べ、飲む。もちろん、私も!

「みなさんに、ついて行きます」

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