不倫のルール
「二人とも、酒強いな~!」と小出さん。

「里中君、職場の飲みでは、そこまでグイグイ飲んでないよな?」

「そりゃ、そうですよ~!周りに引かれない程度に抑えてます」

柴田さんの問いに、美冬が笑って答えた。

「瀬名ちゃんも、あんまり強そうに見えないのにね?」

「そうですか?」

小出さんの言葉に、私も笑って返した。

なぜか私は『瀬名ちゃん』という呼び方になった。

初対面でいきなり名前呼びは……という配慮でもあったのだろうか?名字が名字だけに、あまり違和感は感じていない。

「イヤ、こういうタイプに、意外と酒豪が多いんだよ」

柴田さんが、長いポテトフライで私を指しながら言う。

「こういうタイプって、どういうタイプですか?」

小首を傾げて柴田さんに訊いた。

「そうだな……おとなしそうで、真面目そうで、清楚な感じ?」

相変わらず、ポテトフライで私を指す。

「あら!わたくし、そのように見えまして?」

わざと気取って言った後、柴田さんのポテトフライを取り上げて食べてやった。

「なっ!?……前言撤回!インチキお嬢様?」

「“インチキ”……酷いですわ」

「じゃあ、“なんちゃって”」

「……もう、よろしくってよ!」

私と柴田さんのやり取りを、美冬と小出さんがニヤニヤしながら見ていた。

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