不倫のルール
私は……言うまでもない。週末、黒崎さんは家族サービスに忙しいのだから……

私は、すごく楽しんでいるけど、柴田さん達は、どうなんだろう?

こんな、色気も何もない“飲んべえ”女子と一緒に過ごしていて、本当にいいのだろうか……?


飲み始めて一時間程経ち、私はお手洗いに立った。

用を済ませ、洗面台の鏡を見る。

「よし!まだまだ飲むぞ!」

自分に小さく気合いを入れて、お手洗いを出た。

通路の途中に柴田さんが、腕を組み壁に凭れて立っていた。

「柴田さんも、お手洗いですか?」

私は立ち止まって声をかけた。

「…うん……イヤ……」

目は泳いでいるし、柴田さんらしくない歯切れの悪い返しだ。

「?」思わず柴田さんを見つめると、小さく息を吐いてから、私を見た。

「瀬名ちゃん、これから、ちょっと二人で話せるかな?」

「はい……」

いつもと違う柴田さんの様子に、私は、不安を感じながら頷いた。

私は、柴田さんの後についていく。柴田さんはお店を出て、路地をはさんだ斜め前にある公園に向かっているようだ。

「あの、美冬には……」

「大丈夫。出る前に、智(さとし)に言ってきたから。里中君にも、話しておくように頼んできた」

ブランコと、ベンチがあるだけの小さな公園だ。

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