不倫のルール
ベンチの前にくると、ベンチを息で吹き、手で払った柴田さんに「どうぞ」と座るよう促された。

ベンチに、柴田さんと並んで座った。

「その……なんだ……まどろっこしいのは苦手だから、はっきり言うと……」

前を見たまま話す柴田さん。私は、隣の柴田さんを見つめた。

「えっと……瀬名ちゃんは、今フリーだよな?」

「……はい……」

黒崎さんの事は話せないから、「彼氏はいない」事にしてある。

「俺も、今現在フリーだ」

「はい」そう柴田さんに聞きました。柴田さん、何が言いたいのだろう?

前を見ていた柴田さんが、キョトンとしている私の顔を見た。

「ああ~~!!……だから!瀬名ちゃん、俺と、付き合ってみない?」

頭をガシガシ掻きながら、柴田さんが言った。

……「付き合ってみない?」て、柴田さん言ったよね……

!?付き合ってみない!?

たっぷり十秒近く見つめて、柴田さんに返した。

「はい?」

「反応、遅っ!!」

イヤイヤ、柴田さん、何を言ってるんですか?なぜ柴田さんみたいな人が、私なんかに「付き合ってみない?」なんてセリフを言うんでしょうか?……ドッキリ……?

私が周囲をキョロキョロすると「ドッキリじゃないから」と柴田さんに言われた。

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